廃屋になりつつあった小さな町家の再生。

「町家空間の魅力を活かす」というコンセプトのもと、 伝統的な仕上材や古い建具を使い改装を行う。 狭い坪庭を整理し造ったテラスは、小さな家に広がりと明るさをもたらした。

玄関まわりは、壁や開口部が煩雑に存在していて、不便であった。

一部の壁と部屋を区切っていた建具全部を取り払い、 すっきりとした一つの空間に。 玄関の建具は、傷んだ部分を補修、天然塗料で塗装し直し再利用。

2つの小部屋となっていた2階東側のスペース。

壁一部と天井を取り払い、広がりのある空間へ。 新たに設置した収納 (右)には、古い建具を収納扉として再利用。 正面の大きな窓については、開口部に合わせて建具を特注制作した。

煩雑に小壁が在り、また内装材にも傷みが見られる。

少しでも空間に広がりを持たせるため、旧天井を撤去し、新たな勾配天井を より高い位置に設置した。床はフローリングに張替え、壁は漆喰塗りとした。 漆喰の白は、ベッドルームに落ち着いた明るさもたらした。

階段は部屋と簡易な壁で区切られていた。

階段は新しく制作、使い勝手から既存とは逆向きに掛け替えた。 トップライトは階段上に移動した。 トップライトからの光は漆喰の壁に反射し、室内を明るくしている。

もとは玄関横に和式トイレのみ在った。バスは無し。

新たに壁を立てバスルームをつくり、浴槽・洗面台・便器を一室に納める。 壁上部は漆喰塗り、汚れを考慮して腰壁・床はモルタル塗り。 浴槽は桧（施主支給）、足元は桧のスノコを設置。